TVドラマベスト10(その2)


 前回の第10位から第6位までは、1960年代3本、2005年以降が2本と、TV草創期から最近までの間40年程が抜け落ちていますが、今回と次回の第5位から第1位では、その間が少しだけ補充されます。

第5位 「ローンウルフ一匹狼」(1967~1968)、「非常のライセンス」(1973~1980)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%95_%E4%B8%80%E5%8C%B9%E7%8B%BC

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E6%83%85%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B9

 「ローンウルフ一匹狼」は、天地茂演じる刑事が、美貌の妻「冴子」(野際陽子が本当に美しい)の失踪を機に、刑事を辞めざるをえなくなり、妻の行方を捜しつつ事件に巻き込まれて孤独な闘いを続ける「逃亡者」(1963)の流れもくむハードボイルド系の名作ドラマです。

 「非常のライセンス」は警察機構内に視点を定め、天地茂演じる会田刑事が、掟破りの捜査によって巨悪と孤独な対決をする、今考えると「ダーティハリー」(1971)の流れをくむ「警察アクションハードボイルド」の走りであり、「新宿鮫」(小説1990)の原型の1つといってよいと思います。山村聰の上司や渡辺文雄の東大卒キャリアとの葛藤など、渋い役者が濃い演技をしておりました(今思うと「必殺仕掛人」(1972-1973)テイストも濃厚か)。回想の場面の会田刑事の亡き妻の上村香子が美しかった。

 「ローンウルフ一匹狼」はTVオリジナルで、原案が都築道夫、深沢欣二であり、

 「非常のライセンス」は、原作が生島治郎で、脚本に橋本忍、赤川次郎も参加していたとなれば、傑作ができるのも当然かと思います。

 「非常のライセンス」は、てっきり1960年代のドラマかと思っていましたが、今回駄文を書くにあたり、1970年代前半から始まり1980年まで続いていたのを知り驚きました。

 野際陽子は、「ローンウルフ一匹狼」での印象が強烈だったのと、「非常のライセンス」ではテーマソング(名曲!)を歌っていたこともあり、「非常のライセンス」でもコンビを組んでいたかと勘違いしており、私の中で、2つのドラマが完全に融合しておりました。

 天地茂は、Ms.M.K.の永遠の憧れの人である成田三樹夫の少し先輩にあたり、初期の映画やTVドラマでは、あの三白眼を活かした悪役専門であったのが、「座頭市物語」(1962)の平手造酒役の労咳病みの素浪人を悲哀たっぷりに演じて以来、本当にいい役者であり続けました。

 亡くなった母が、天地茂が好きで「ローンウルフ一匹狼」~「非常のライセンス」を欠かさず観ており、Ms.M.K.もそうですが、大人の女性というのは、必ずしも二枚目でなくても心がときめくものなのだ、ということを教えてくれた人生教訓ドラマでもありました。

 また「美貌の妻」は、それだけで、こういう渋い男が探し求める強い動機付けになるということも新鮮でありました(野際陽子だから当然か)。

第4位 「シャツの店」(1986)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%84%E3%81%AE%E5%BA%97

 名優鶴田浩二の、遺作ドラマで、鶴田浩二の最高傑作といってもよいと思います。

 頑固なシャツ職人の周吉(鶴田浩二)を愛しながらも、周吉の心が自分に向かないことに愛想を尽かした妻の由子(八千草薫)が家を飛び出すところから始まり、周吉が心を開いて由子を迎え入れるまでを、ほとんど「男は黙って」状態の鶴田浩二と、可愛らしい八千草薫のやりとりを中心に、コミカルかつ心に染み入るエピソードを積み重ねる構成となっています。

 さえない弟子の平田満、周吉の息子の佐藤浩市を始め、美保純、杉浦直樹、井川比佐志等の周吉の回りをうろつく共演者も渋さ全開で、この文章を書いているだけで思い出していまい、涙が出そうになってしまいます。

 脚本:山田太一、演出:深町幸男、音楽:山本直純とは、贅沢すぎる。


 今回、1位まで一気に駆け上がろうと思いましたが、思い出多い第5位と第4位であったので、書きすぎてしまいました。

 次回は、第3位から第1位までを紹介します。

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