TVドラマベスト10(その1)


 5年ほど前から、TVを見なくなり、2011年7月24日にデジタル放送が途絶えたのが決定的となり、TVとのお付き合いが全くなくなってしましました。

 しかし、それまでに出会った数々の素晴らしいTV番組は、小生の人格形成に少なからぬ影響を与えており、ここに感謝の意味を込めて、この半世紀のTV鑑賞報告をさせていただきたいと思います。

 まずは、小生の記憶に残るTVドラマベスト10を、今回から3回に分けて報告します。

 TVドラマは、比較的系統立てて整理できるTV時代劇と異なり、百花繚乱で系統的な整理は不可能に近く、さらに当然のことながら、その全てを見ている訳ではないばかりか、偶然にたまたま見たら感動してしまったというものも多いので、小生の個人的な思いでと嗜好が強く反映されていると思います。

 今回は、第10位から第6位までを報告します(番組タイトルの後に、Wikipedia等の紹介サイトのURLを設けておきました)。

第10位 「七人の刑事」(1961~1964)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%83%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%88%91%E4%BA%8B

 小生の家もTVを購入して家族で番組を見始めてから、小生の記憶に残る最初の本格的TVドラマとなりました。

 それまでのフィルム制作の子供向けドラマと米国製ドラマしか知らなかった小生には、VTRのシャープな質感と、芦田伸介を始めとする渋いおじさん達の生真面目さが新鮮でした。

 当時、日本は高度経済成長期にあり、それこそ、TVを始め3種の神器が普及しだして明日への希望に満たされていたのですが、TVドラマの世界では、「七人の刑事」だけでなく「特別機動捜査隊」等の刑事物ドラマでは、何とも暗い世相が描かれており、七人の刑事たちの無力感だけが印象に残っています。

第9位 「八日目の蝉」(2010)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E6%97%A5%E7%9B%AE%E3%81%AE%E8%9D%89

 小生が、リアルタイムで観た最後のTVドラマだったように思います。

 その日の新聞のTV番組欄をみていたら、タイトルがきれいだったのと、「武士の一分」以来ファンになっていた檀れい主演という理由だけで観てしまったのですが、子供の誘拐事件から始まり、ミステリーとロードムービーの要素も絡み、面白く見ていたのですが、最終回のあまりに重い結末に心から感動してしまいました。

 女性版の「砂の器」といってもよいと思います。

 歳をとったせいか、あまり重い内容のドラマは敬遠してしまうのですが、「八日目の蝉」はうっかり観てしまったのが運の尽きだったようです。

第8位 「わたしたちの教科書」(2007)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AE%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8

 当時面白く観ていた「富豪刑事」が終わった後に、惰性で見始めたのですが、予想外に面白く、また最終回は感動してしまいました。

 いじめを主題にした本格ミステリーで、リアルな学園ものが続くのかと思いきや、登場人物の関係が二転三転して、最後は法廷劇に移行するという、凝りに凝ったドラマ作りで、最後まで楽しめました。

 「積木珠子」(つみきたまこ)という剽軽な名前ながら暗い過去をもつ弁護士の菅野美穂、転落死した生徒(志田未来)の真面目な担任(伊藤淳史)、そして、権威主義の悪役である副校長(風吹ジュン)の演技合戦が見事でした。

 オリジナル脚本のようですが、秀逸な本格ミステリーとしてTVドラマ史に残るのではないでしょうか。

第7位 「白い巨塔」(1967)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E3%81%84%E5%B7%A8%E5%A1%94_(1967%E5%B9%B4%E3%81%AE%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E

 当時子供であった小生は田宮二郎の映画版は見ておらず、このTVドラマ版で「白い巨塔」のイメージが刻み込まれてしまいました。

 もともと悪役が多かったのですが演技派の佐藤慶の財前五郎は、根上淳が演じる正義の里見先生と対象的で、悪の匂いが充満した迫力があり、子供ながらに怖かったものです。

 この「白い巨塔」は、財前五郎が医療裁判に勝つまでが描かれており、悪が勝ち、正義が負けるという不条理を知り何とも暗い気分になりましたが、社会勉強になりました。

 その後観た田宮二郎の映画版も素晴らしく(山本薩夫監督なので当然ですが)、小生にとっては、財前五郎は佐藤慶と田宮二郎の迫力が印象に残りすぎてしまい、2000年代に入ってからのリメーク版は食指が動きませんでした。

第6位 「花いちもんめ」(1968)

http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-10833

 ほろにがホームコメディの走りとなったドラマかと思います。

 「スパイ大作戦」第1シリーズが終了後、心の空白を埋めるために惰性で見始めたのですが、頑固おやじ(佐野周二)と5人の息子の男所帯に、ひょんなことから腹違いの妹ということで岩下志麻が住み込み始めたのをきっかけに進行するドラマに楽しめました

 岩下志麻の美しさには、観ているこちらもKOされてしまいました。

 毎回、劇中の男たちと同じ次元で感情移入してしまい、最終回は涙にくれました。

 当時、「帰ってきたヨッパライ」が大ヒットしたばかりのフォーククルセダースが主題歌を奏で、ドラマ全体がひどくモダンであった印象が強いです。


 次回は、第5位から第1位までを紹介します。(続く)

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